指物家具とは、釘などを使わず、木部に凸凹(ほぞ)を作り、そのほぞによって板と板、棒と棒を組み合わせて作る家具を言います。 徳川幕府開幕以降、江戸が政治経済の中心になるにつれ、衣、食、住すべてに「江戸前風」が流行し、指物家具の分野にも、江戸風、江戸好みと呼ばれるスタイルが形成されました。ほぞの部分を「仕口」と呼び、数十種類ある仕口のうち、おもに江戸指物では、外からは見えない隠し蟻組や三方留などの高度な仕口を使用しています。
絢爛な加飾が施された関西家具とは対照的で、素朴な作風で、見かけの華やかさより内面の美を追求しており、内側に手抜きをしない、日本的な「わび」「さび」「義理人情」の込められた手作りの味が生かされた作品が残されています。
戦後、家具業界も機械化が進み、近年では洋家具が主流となっていますが、日本の伝統工芸として受け継がれた江戸指物は、現在でも手造りならではの味を好む方々から大変親しまれています。ご注文を受けて新しい指物家具を作る事もございますが、修理・修繕の依頼も多くいただきます。壊れたら捨てるのではなく、修理・修繕して大切に受け継いでいく事で、日本の伝統工芸を後世にも伝えていきたいものです。
うるし塗りは、うるしの木から樹液を採り、それを精製したものをうるしと言い、それを塗り重ね下地から上塗りまで、数十回におよぶ工程を経て作られます。
長年漆器を使用していると、飴色に透けてきます。お盆なども、本来黒漆であっても、裏側が透けてきます。「よく透けていますなあ」というのは、古い漆器の褒め言葉で、同様に、塗りものの器で、木地や布の芯が痩せてできるシワを「断文(だんもん)」というのですが、「いい断文が出てますなあ」というのも漆器のほめ言葉です。うるし塗家具や漆器は、何度でも塗りかえて美しく生まれ変わります。親の代から子に受け継がれた家具、重箱など、日本の伝統工芸である、うるし塗家具や漆器を、代々後世に語り継ぎたいものです。
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